※ネタバレ注意!※最速考察【街とその不確かな壁】章の数字が意味するもの
ごきげんよう、祈(いのり/inori)です。
村上春樹6年ぶりの新刊、出ましたね!
わたしは新宿紀伊國屋で開催されていたカウントダウンイベントに参加しまして、
なんと各種メディアから取材をしていただきました。
わたしがほぼ毎回参加している読書会「Futako Book Club」のメンバー4人で向かったのですが、団体で来ている人が少なかったからなのでしょうか(あるいは我々が1時間近く前から待機していたやばい人たちだったからかも)、10を超える媒体から取材をしていただきました。自分たちの活動が取り上げられるというのは感慨深いものです。
そして本日4/15(土)、おそらく世界最速となる『街とその不確かな壁』読書会を実施しまして、その過程で面白い考察が生まれたのでメモ的に残しておきます。
我らが「Futako Book Club」のボスも同内容をポッドキャストにUP予定…?とのことですので、音声メディアをお好みのかたはそちらをどうぞ!
※以下、注意事項※
1.最新作のネタバレを含みます。未読のかたはお気をつけください。
2.上述の通り、わたし個人の考察ではありません。「Futako Book Club」の考察としてお読みください。
3.今回はスピード重視で記事を上げています。今後加筆・修正等が行われる可能性が高いです。
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◆章の数が多い?
突然ですがみなさん、本作は1つの章が短い、言い換えれば文量に対して章の数が多いと思いませんでしたか?
参考までに過去作の章数と見比べてみると、以下の通りでした。
★本作…661p/70章
◯『騎士団長殺し』…(単行本上下合わせて)1,048p/64章
◯『1Q84』…(新潮文庫6冊合わせて)2,157p/31章
◯『海辺のカフカ』…(新潮文庫上下合わせて)1,014p/49章
◯『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』…(新潮文庫上下合わせて)744p/40章
…いかがでしょう?明らかに多いと思います。
『世界の終り〜』のように、章の切り替えで視点が切り替わるような構成になっているわけでもないので、この章数の多さには別の意味を見出した方がよさそうです。
ここからが考察になります。
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◆章の数=年齢?
この「70」という章の数に対して考えられることが、これは年齢を表しているのではないかというものです。
理由は以下2点。
1.本作執筆開始時点での作者の年齢が70〜71歳と考えられるから
2.短編「プールサイド」において、35歳が人生の折り返し地点という記述がある
=作者が人生を70歳と捉えている可能性があるから
さらに、理由1について面白いことに気が付きましたので補足します。
章の数=作者の年齢と考えた場合、作者の半生にリンクする部分が本文中に散見されるのです。
<例>
◯19章=作者19歳のとき
…(本作)主人公の孤独な大学生活が描かれる
◯29章=作者29歳のとき
…(本作)新たな場所が必要であると思い立ち、図書館で働くことを決める
…(作者)エピファニーを受け、小説を書こうと思い立つ
◯35-36章=作者35-36歳のとき
…(本作)「私のすべての思考や推論は必ず行く手を厚い壁に遮られ、そこより先に進むことはできなかった。」子易さんが影を持たない人間であることが明かされる
=『世界の終り〜』的世界観の明示
…(作者)『世界の終り〜』執筆。同作で第21回谷崎潤一郎賞を受賞
まだまだ探せば(こじつければ?)あるのでしょうが、
特に29章-30章あたりで大転換が起こっていることは、偶然の一致と捉えて良いものか悩むところです。
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以上、スピード重視で最新刊に関するおもしろ考察を上げてみました。
読みどころ満載の最新刊、引き続きウォッチしていきます!
それでは取り急ぎ。