祈(いのり/inori)の手控え

本の考察(もとい妄言)を気ままに書く手控えです。 村上春樹作品多めの予定。

2023-01-01から1年間の記事一覧

【日々移動する腎臓のかたちをした石】考察:「蜂蜜パイ」のifルート?キリエの神性と呪いからの解放

ごきげんよう、祈(いのり/inori)です。 甘いものは昔から苦手なのですが、読書しながらのコーヒーとドーナツに意外とハマってしまいました。でも体質的にコーヒー合わないし(後々頭が痛くなる)、かといって甘いもの単体は甘くて食べられないし…という、…

※ネタバレ注意!※最速考察②【街とその不確かな壁】移り変わらないものはない

ごきげんよう、祈(いのり/inori)です。 突然ですが、みなさんは夏休みの宿題を先にやる派ですか?後にやる派ですか? わたしは初日と最終日にやる派です。 初日にガーッと8割くらい片付けて、気分が乗らないものはずっと放置するんですね。 で、文句を言い…

※ネタバレ注意!※最速考察【街とその不確かな壁】章の数字が意味するもの

ごきげんよう、祈(いのり/inori)です。 村上春樹6年ぶりの新刊、出ましたね! わたしは新宿紀伊國屋で開催されていたカウントダウンイベントに参加しまして、 なんと各種メディアから取材をしていただきました。 わたしがほぼ毎回参加している読書会「Futa…

【辺境・近境】旅行記:有給を持たない社畜・祈と、春樹巡礼の旅(香川編)①

◆序章ーある日のオフィスにてー 上司「祈さん、最近働き詰めだねぇ。」 祈「(毎日何かしらの締切があるから仕方ない)ですね!」 上司「ところで、祈さんは勤続○年目だから、特別休暇を取ってね。」 祈「ト…トクベツキュウカ?」 上司「そう、勤続○年ごとに5営業日…

【1973年のピンボール】考察:フラクタル構造としての「ピンボール」

お久しぶりです、祈(いのり/inori)です。 1週間…と言いつつ2週間のお休みをいただいてしまい申し訳ありませんでした。 雪山に行ったり(前回の記事↓参照)、社畜生活を極めたりしていました。 inori-book.hatenablog.com さて、今回は村上春樹『1973年のピ…

【踊る小人】考察:文壇からの決別の物語だった?

ごきげんよう、祈(いのり/inori)です。 印象深い童話は「人魚姫」。生まれて初めて聞いたかもしれないバッドエンドの物語で、その夜眠れなくなったことを覚えています。あの頃は心が綺麗だったんですね…今やバッドエンドを進んで求めるモンスターに成り果…

【自分語り】オタク回:#名刺代わりの村上春樹作品10選について

ごきげんよう、祈(いのり/inori)です。 実は細々とTwitterもやっているのですが、先日こんなタグを見つけまして。 これはやるしかない!ということで、わたしも便乗させていただきました▼ 実はこのタグを見つけるまで、自分の中で好きな順のランキングを考…

【納屋を焼く】考察:納屋は可能世界のメタファーか?

ごきげんよう、祈(いのり/inori)です。 ”〇〇焼き”と言うと、小さいころ祖母にもらった”ぽたぽた焼き”が印象的です。 パッと聞いてどんな食べ物か想像つかないですよね。 さて、今回は村上春樹「納屋を焼く」。 比較的有名な(?)短編で、いくつかの短編…

【どこであれそれが見つかりそうな場所で】考察:くるみ・ヒール・メリルリンチ

明けましておめでとうございます、祈(いのり/inori)です。 移動先に本を持っていくことを忘れてしまい、せっかくの正月休みだったのに1記事も書けませんでした… ↑Instagram、Twitterではちょくちょく発信していたのでお許しを… スタートダッシュからポンコ…